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貧困問題、国の中のdisparity、国と国とのdisparityはglobalizationなどでどんどん広がってゆく。WHOだけではこの状態を改善できない。健康と貧困問題は一対一の対応でなく、様々な要因が関係する。WHOは保健・医療のことしかできないけれど、他の分野と手を組むことはできる。例えば女性の地位の向上によって健康指標がよくなることは経験から分かっている。そのため、各国の予算のかなりの部分を、保健・教育の部分に割いてもらったりする。

 

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WHO西太平洋地域事務局

尾見茂事務局長の講義

 

若い人に一言

迷った時は一つだけ考えるとよい。自分が本当に最も好きなのは何か。自分が好きなことをやっていれば、心からやっているアイディアがどんどん出てくる。朝昼考えていても苦じゃない。あなたがどれだけ伸びるかは、それにかかっている。

あなた自身が豊かにならなくては何もできない。人間が豊かになれば何かできるようになっていく。自分自身を知ることが大切。本質的なことを考えるのは今しかない。

人生というのは建前で生きちゃいけない。本心が必要。人間の心に根差したものでないとうまくゆかない。

 

<考察>

WPROのトップである尾身先生が、自分の経験から得た人生論を話のそこここにちりばめてお話しくださったのがとても嬉しかった。新しい知識を吸収するという形が多かった今までの講演の中にあって、「知識なんてどこでも得られる。こういうところでは人生の糧になることを学んだ方がよい。」とおっしゃった先生に強く共感しました。あるリサーチから得た事実や数字から何を感じるか、そのことをどう思うか、ということが大切であり、そういう心、人問の心情に根差した行動でないとうまいかない。という先生の言葉に初心を思い出し、体中が熱くなる思いでした。

 

 

 

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