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現在、日本からの援助額は頭打ちの状態だが、減少はしていない。それだけ援助を必要としているわけだが、農業分野での協力や中小企業への職業教育が望まれている。また、現在、エストラダ大統領の下でのフィリピンは政情不安定である。

 

B. 活動内容;現在フィリピンには青年海外協力隊員70名、専門家120人がおり、その多くは地方に赴任している。医療分野では家族計画母子保健、結核対策、エイズ対策、マラリア対策、住血吸虫対策への協力などを行っている。

 

a) 家族計画・母子保健

人口は2000年には7,500万人になったが、40年で倍になっている。宗教はカトリック(但し、南はイスラム教)。宗教は避妊に反対のため、母子保健の指導が行われているが、その地区の司教の考え方により、指導内容は異なる。田舎は子供が5〜6人の家族も多く、小児死亡率も高い。

エストラダ大統領の政策の一つに“貧困層をなくす”があり、都会はスラム対策、田舎は栄養改善が行われている。

b) 結核

中国、フィリピンに結核が多い、WHO推奨のDOTSは以前はセブ島中心に行っていたが、現在はマニラを中心に行われている。貧困がなくならない限り結核もなくならない(先進国では抗結核薬はあるもめの、多剤耐性菌が問題となっている)ため、JICAは草の根支援により、NGOに協力している。

c) エイズ

0.05人/45万であり、タイの人口のうち1〜2%(80万人)に比べ少ない。しかし、海外への出稼ぎ大国であり女性はメイドとして香港や中東に働きに行く人も多く、また、船員として世界を旅するものも多い(日本船の船員の約7割がフィリピン人)。海外への出稼ぎ者や、船員たちがエイズや他のSTDに感染することも多く、その啓蒙活動も行っている。

d) マラリヤ

子供の健康無償。蚊帳と殺虫剤を半年毎にパララン島を中心に配る。

e) 住血吸虫対策への協力

現在は行われていない。

 

次に、具体的な活動内容を、11年度の医療保健関係を中心に述べられた。

 

1. 研修員受入事業

(1) 本邦研修

a. 集団研修、個別研修、カウンターパート研修

b. 帰国研修員同窓会(PHILIAFA)支援

 

 

 

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