銀行ではお金を貸すとき、教育費などと利用目的を明確にして貸すが、このようにすることでお金は少し、役に立つものとなる。
ODAや円借款もこの方式である。
(この後ODAやJICAについての説明がなされた)
・国際協力は自立を促すものとなるのが理想である。従って、国際協力は押し付けであってはならないので、日本政府の援助は相手国のHelpというメッセージがあってから行うという要請主義をとっている。要請が出るということは、その国に受け入れる素地ができたということだからである。
・援助にはマザーテレサ型とナイチンゲール型がある。
マザーテレサ型は自らとびこみ、骨をうずめる覚悟で行うものである。ランニングコストも出し、一緒に生活をしながら短期的ではない長期的な援助を目的とする。しかしこれはODAにはなじまず、NGOが得手とするタイプである。
ナイチンゲール型は短期決戦型のものである。ナイチンゲールは衛生行政改革者であり、病院を清潔にする運動をして仕組みインフラを変えた。しかし根底にある精神はマザーテレサ型と何ら変わらない。
・途上国には貧乏力という力がある。貧乏力は貧しいが故の工夫する力で、改革や政策などでみられる。
10:30〜11:10 「WHOの理想と現実」
外務省大臣官房審議官兼総合外交政策局国際社会協力部 赤坂清隆 先生
・WHOの目的・任務は全ての人々が可能な健康の最高水準に達すること
・WHOの3つの基本柱は・国際的Standardを作ること(疾病分類、食品基準、ダイオキシンのガイドライン、遺伝子食品など)、
・国際的保健事業の指導・調整を行うこと、
・途上国に対する技術協力(PHCや薬品整備)
・WHOは昔は予防などのrule作りが主な仕事であったが、fieldでの作業を行わないと拠出金が出ないということから、今は半々位に活動している。WHOの行動の成果としては1980年の天然痘撲滅がある他、根絶間近な病気が他にもいくつかある。
・最近まで平均寿命は向上の一途を辿っていたが、最近はアフリカでのAIDSで下がり気味である。
・PKOへの失望を契機に国連に対する先進国の批判が高まり、WHOも批判された。また、国連には組織の肥大化や、各国の権限争いという問題もある。そこでWHOはHealth for allの再確認、6つの地域事務局との連携、人事の公平性などを考え直している。
・現在のブルントランドWHO事務局長はタバコ、マラリア、HIVの対策に力を注いでいる。