しかし、同じくこの品種を栽培してきた隣の佐賀県では、「脱とよのか」を目指していて、独自に開発した「さがほのか」を98年から販売、県の主力品種として育てています。とよのかと比べると、やはり酸味が少なく甘いのが特徴です。
「みかんやりんごといった果樹に比べ、いちごの品種改良の速度は速い。10年経てば主力の品種は後退します」と、東京の果物店新宿高野本店フルーツギフトフロアのイノウエハジメマネージャーは言います。イノウエさんによると、65年から84年頃までは米カリフォルニア州で生まれた「ダナー」が最も有力で、酸味が強く硬い品種でした。その後、幾つかの品種が出回る時期を経て、90年には女峰ととよのかの二大品種が時代を築きました。