とちおとめの栽培は根付きが悪く難しいのですが、98年には県内の栽培面積の52%となり女峰を逆転し、今シーズンは95%を占めています。静岡県も93年には女峰が栽培面積の7割を占めていましたが、昨年は「章姫」が9割を超えています。章姫は県内の民間育種家が育成した品種で、女峰と糖度は同じ程度ですが、酸度が低い分甘く感じます。このように女峰がこの数年で一気に衰退したのに対し、「とよのか」は依然として王座を保っています。主な生産地の福岡県は、現在もほぼ全域がとよのかを栽培しています。「消費者の評判は良く、これに勝る品種は今のところ無い」と、同県生産流通家は自信を持っています。