1962年ミシガン大学のジェイムズ・ニールによって「エネルギー倹約遺伝子」という概念が提唱されました。これは食物の供給が不安定な厳しい自然環境の中で生きる動物には、余剰エネルギーを効率よく貯えて生存の可能性を最大にする働きをもつ遺伝子の一群が存在するという仮説です。
ところでフィジー社会では1995年に米国のテレビドラマが放映されるようになってから、体型に対する伝統的な考え方に大きな変化が現れています。1995年と3年後の98年にハーバード大学の研究グループがフィジーの女子高校生を対象にして身体イメージを調べました。その結果わずか3年の間に自分が太りすぎていると感じる生徒が急増し、食事制限によるダイエットや摂取カロリーといった新しい考え方が急速に広まったことが解りました。