このような時、上部機関からはその事業の進行状態についてうるさくいわれることも多いでしょうし、余りいいたいことではありませんが、地元の有力者と称する人たちからの圧力などがあるということも否定はできません。
予算上の問題などで上部機関とか地元の業者との折衝などもあり得るでしょうし、許認可を受けるために再三関係方面へ足を運んで説明に当たらなければならなかったという場合もあるでしょう。大抵の場合、このような出先での仕事は比較的少人数で当たることが多いようですが、どの程度本人の責任であるのかということが問題になります。このような仕事の場合には、期日を限られていることが多く、本人の責任とするには気の毒な、種々の事情で、事業が遅れてもやはり直接責められる立場になってしまうことがあります。
職場の命令や指示で研修に参加し、それが精神的な負担となって、うつ状態や、心身症と考えられる心因性視力障害などを呈した人がいます。研修のスケジュールや難しさの問題もあるでしょうし、当然、このような時は出張という形ですから、必要以上に責任を感じてしまうということかと思います。ただ、これは後で少しふれますが、本人の性格や思い込みの程度などが大きく関係してきますから、単に職場以外の対人関係によるものとだけはいえないように思います。
職種によっては、外での業務の時に、暴力行為を受けたとか、セクシュアル・ハラスメントに近い行為を受けたなどということがありますが、これはむしろこの後で述べる突発的な出来事の中に入るものかと思います。
特に難しいのは、いわゆる言葉での暴力を受けたというような訴えの時です。これも実際には決してまれなことではなく、前に述べた出先での事業遂行に際し、執拗に文句をいわれた、責められた、怒鳴られたといったことなどや、地元の住民と直接かかわりあっている職場、例えば市役所、役場、税務署などでも起こり得ることではあります。
具体的な例を挙げればきりがありませんが、ここでは労働災害認定の手続きのこととか実際にどう認定したかというようなことを説明するのが主な目的ではないので、必要があれば、そういった解説書や事例集などを参考にしてみてください。