何にしても番大切なことは、相談に来る人が気やすいようにということでしょう。それについて、相談室そのものの設置と相談員との両面から考えてみます。
まず相談室をどこに作るかということですが、相談に来やすいということでは職場内に設けることがいいようですが、これにも問題があります。後で、守秘義務ということについてもふれることになりますが、どうしても他の職員の目が気になるということがあるようです。自分の職場内にあるとかえって行きにくいという声もあります。
また、個々の職場では職員の人数や相談件数にもよりますが、相談員を確保するのが困難ということもありますから、いくつかの職場(国家公務員であれば、いくつかの省庁)が合同で相談室を設置するということが考えられます。この場合は自分の職場内でないということで、気楽にいけるという面がありますが、職場を離れて(抜け出してというのはちょっと当たらないかもしれませんが)相談に行かなければならないというのが別の問題になります。これは次の開室の時間帯とも関係してきますが、いずれにしても、長所、欠点というかすべてがうまくいくというわけにはいかないかもしれません。
開室の時間帯ですが、相談室の職員の構成などにもよりますが、一般的には診療所などと同じように通常の日勤帯ということになるでしょう。
予約制かどうかということもありますが、これは第2巻の三次介入のところで再発防止のための通院という問題でふれたことと似たような点があります。本人の仕事の時間帯の中で、相談に来なければならないことが多いとすれば、どういう扱いを職場としてはするのか、半日の年休をとってという考え方もあるでしょうが、それも度重なると本人にとっては…ということにもなります。といって、職場としても、本人自身の問題で職場を離れることを黙認できるかどうかも難しいところで、カウンセリング・マインドということだけで、解決できない事態にもなるかもしれません。
それでは昼休みの時間帯にということも考えられますが、何人か重なった場合はどうするのか、相談員の勤務時間との兼ね合いをどうするのか、なかなか単純に行かないことが多いでしょう。