5 メンタルヘルス相談室について
職員の一人一人が、メンタルヘルスということ大切さを漠然としたものから次第にはっきりとした認識を持つようになり、対応する立場でもカウンセリング・マインドということが、職場の心の健康を維持するために重要な役割を果たすという理解をしてもらうのがまず第一に必要なことです。
職場のメンタルヘルスというのは、職場全体としての取り組みですから、例えば上司などは、きめ細かく一人一人に、また全体を見通して対応することが大事です。一方で悩みを抱えている、ストレスがたまっている、不適応に落ちいっている職員などに上司としてはカウンセリング・マインド、あるいはカウンセリング的に何とかしてやりたいと思っても、それには限界があると思われます。気持ちがどうであっても、それを専門にやっているわけではないのですから。
そこで、カウンセリング・マインドということをふまえて、実際に職場のメンタルヘルスに活用するとしたら、一歩進んで具体的にはどうしたらいいのだろうかということになります。
ここでは、職場全体から個人個人に対してのメンタルヘルス対策ということにもなりますが、考えられることの一つとして、メンタルヘルスに関する相談室の設置があります。このところどこでもそれがより必要なものとして取り上げられています。もちろん、以前からそういう取り組みをしているところもたくさんあります。
以下その必要性も含めてメンタルヘルス相談室の在り方について考えてみたいと思います。
相談室のありようとかやり方については、いろいろ考え方もあるでしょうし、一律にこうでなければとはいえません。また、必ずしもすべて理想的なものといってもそれも現実的には無理だということもあるでしょう。ここでは一般的にはどんなふうにするのかという程度に考えてみることにします。