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うつ病とか躁病の症状の一つの現れであったり、職場などのストレス過剰のため、ついアルコールでごまかしているうちにアルコールの量が増えてしまったなど。後者の場合はそれも本人の意志が弱いからだといってしまえばそれまでですが、アルコール依存症の治療とか対応とかいうのとは別に、この辺りのところは、職場のメンタルヘルス対策と一部関連してくることがあるかということで、少々くどくなりましたが取り上げておきました。

一部、職種と関係のあることもあって、常時、接待的な業務が多くてアルコール依存症になったなどという話を聞くこともありますが、そこまで業務起因とは考えにくいでしょう。

アルコール依存症の人が、よくなって―大変あいまいないい方ですが、一応よくなって―職場へ戻って来た時、周囲はいろいろと気を遣うことになるでしょう。酒の話はしない方がいいだろうかとか、職場でのお酒の出る会合に誘っていいのかどうかなど。宴会の席でその人だけは、ジュースとかウーロン茶ともいいにくいし、などと考えれば、周囲も頭が痛くなることが多いでしょう。逃げるわけではありませんが、ケースバイケースの対応としかここではいいようがありません。

余分なことですが酒の上でのこととか、酒で判断ができない状態、意識がもうろうとしている状態での事故などについては、余程特殊な例でない限り、その時は意識がおかしかったとしても、大酒によりそういう状態になることが認識できているはずだとして、起こった事故や犯罪について責任を免れることはできないことになっています。

さて、アルコール依存は論外として、一方で適度の飲酒は、身体のためにも、ストレス解消のためにもいいといわれます。単純にいえば、血液の循環が良くなるとか、リラックスした気分になれるということになるのでしょう。これは、別に酒飲みの肩をもっていうわけではなく、事実ではあると思います。

そこで、適度の飲酒―適正飲酒―というのは何なのかということになります。ここから先は、かなり筆者の個人的な見解が入ることをお断りしておきます。

 

 

 

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