また、心身症といえるかどうかは別としても、虚血性心疾患のストレスとの関与もいわれていますので、過労死の問題は、職場のメンタルヘルス対策と無縁のものではないということで、ここに簡単にふれておきました。
実際の認定の問題については、精神疾患と労働災害の認定基準とも共通したところもありますが、必要であればすでに示されているものを参考にしてください。
カ 職場の喫煙
煙草による癌を含む呼吸器系統の病気や心臓疾患などの循環器系の病気の発生の問題や、また間接喫煙による周囲の人たちの健康上への影響などが取りざたされてきて、禁煙対策ということがどこでもいわれています。
ここでは、喫煙の身体的な影響の問題を取り上げるわけではありませんが、職場における喫煙者と非喫煙者の関係などについて少し述べてみます。
日本におけるそれぞれの割合はともかくとして、煙草を吸っている人たちが、身体のためによいことではないというのはだれでも理解しているとは思います。しいていえば、煙草を一服することでリラックスできる、ストレス解消のためのリラクゼーションの一つだということでしょうか。しかし、煙草を吸わない人からいえば、他にリラクゼーションの方法があるのではないかということにもなるでしょう。
しかし、現実に煙草は売られているわけですし、国の税収入に協力するということではなくても多くの喫煙者がいるわけです。
人事院が各省庁でも禁煙対策について、いろいろな論議はされて来ました。しかし、実際には、煙草をやめられない人も多いというところから、結局、分煙対策をきちんとするということで、とりあえずは現実的な方法でと、ややトーンダウンした方向のようにもみえます。