そこで、ここでは、変わり者であるか人格障害であるかは別として、職場の中でどういう問題がおきるかを少し考えてみることにします。
前に異常とは何かということで、正常と異常の判断は、我々の常識が物指しになるのではないかと書いたと思います。ですから、ここで問題になる人たちは、物の考え方や行動が我々の常識で考えることと、はずれているということにもなります。もちろん、精神疾患そのものによる場合は別ですが。
具体的に人格障害のタイプは示しませんが、大まかにいえば、その性格の偏りのために本人が'悩むタイプと周囲がいろいろと困らされる、迷惑を受けるタイプと考えてもいいかと思います。
精神科の教科書に出て来るような症状の説明とは少し違いますが、本人が悩んでいる元としては、神経質過ぎる、内向的で人との付き合いがうまくできない、非社交的である、くよくよしやすい、物事を前向きに考えられず、すぐにうつ的になりやすい、一つのことが気になると他のことが考えられないなど挙げればきりがありません。ただ、このような性格傾向があるというだけでは、何度もいうようにタイプは別として人格障害ということではありません。世間でよくいう対人恐怖症とか赤面恐怖症などというのは、このような中に入るのでしょう。普通の仕事では特に問題は無いのに皆の前で何か発表するなどという時になると俗にいう頭の中が真っ白になってしまうという人がいたりします。このような性格のため、日常生活にも、社会生活、特に仕事の面で大きな支障をきたすということになると、様々な問題が起きてくるわけです。またこのような傾向の性格を持つ人はストレスなどで容易に反応を示し、ストレス反応とか神経症などに陥りやすいとも考えられます。
しかし、このようなタイプの人たちは場合によっては自分から何とか解決しようと考えたり、周囲の働きかけなどによって、カウンセリングを受けたり、精神科に相談することも必ずしも拒否はしないということもあって、職場や周囲の対応が可能になるというか、積極的な職場のメンタルヘルス対策にも関係してくるということがあります。