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13 職場不適応への対応のまとめ

 

職場不適応とは何か、またそれにどう対応したらいいのかということについて説明してきましたが、やや冗長になった面もあるかと思いますので、もう一度整理してまとめておきます。

職場不適応という言葉そのものはそう難しく考える必要はありません。

原因や現れ(症状)が何であれ、通常の業務がきちんとできず支障をきたす状態のことと考えればいいわけですから、職場の中だけの様子ばかりでなく、よく休む、遅刻や早退が多いなどということもその中に入ります。無断欠勤はもちろんですが、いわゆる届出欠勤、したがって1〜2日を繰り返しほとんど仕事ができていなかったという例もありました。結局、同僚に迷惑がかかるということになります。このような時、全く本人が悩んではいないわけではなく、自分でもどうしていいの分からない、周囲に迷惑をかけていることを自覚している場合と、そういう自覚に乏しい時とがあります。

職場不適応の元になるものに、数の上では多くはありませんが、狭義の精神疾患の発症のことがあります。しかし、多いのはやはりこれまで述べてきたストレスを含む業務起因によるもの、家族的、個人的な悩みなどによるストレス性障害と考えてもいいでしょう。精神疾患等の発症の要因についてはすでに説明しましたので繰り返しませんし、また精神疾患等の症状について個々の疾患について説明するのが目的ではありませんのでここではそれも省略します。一部は今までの説明のところを参考にしてください。

広い意味での職場不適応といえるものの中には、何か身体的な問題があってという場合もあるかもしれませんが、それは放置してもいいとか、カウンセリング・マインドとは関係ないというわけではありませんが対応の仕方が違うと思いますし、より身体的なものの治療に重点を置くべきですからここでの問題とは少し対応が異なるので特には取り上げません。

職場不適応の状態というのは、本人や家族にとっても困るかもしれませんが、何といっても職場への影響や仕事を進める上での支障をきたすことになります。

 

 

 

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