三次介入の最後に再発予防ということについて考えてみます。
どういう状況であるにしても、職場へ復帰した職員が、できるだけ早く本来の調子に戻れるように周囲が配慮し援助することは、同じ職場で働くものとして当然のことともいえますし、また同じような職場不適応を起こすことがないようにという再発防止にも役立つことになります。
ところが、職場不適応といってもその性質、成り立ちなどは様々で狭義の精神疾患によるものもありますので、一律にどうすればいいと決めることは困難です。
身体の病気の場合でもそうですが、しばらく職場を休んだ後では、何となく体調や気分が本調子でないという感じとは別に、周囲に対して肩身の狭いような気持ちを持ったり気兼ねしたり、休んで迷惑をかけたから早くそれを取り戻さなければと思ったりすることもよくあります。決して周囲はそう思っているわけではなくても、もともと几帳面だったり神経質な人では、よりそういう傾向が強いようです。そしてそれが悪くするとまた不調の元になったりすることがあるわけです。
そこで、一般的には、あせらないようにとか、そんなに心配しなくてもといったようなことになりますが、復帰直後はそういうことで、まだ本来の調子に戻っていないことが多いわけですから、職務軽減といったような配慮が必要になります。ただし余り目立った形でとか、大丈夫かどうかと心配しすぎたり、同情的な目で見たりすると、かえって本人が精神的に萎縮してしまうこともありますから、大変漠然としたいい方になってしまいますが、さりげなくという態度が必要です。もちろん、頑張れよと励ますことがよくないわけではなく、そうなってくると結局ケースバイケースだと考えるしかなくなります。その辺が、職場の上司や同僚だけで対処するのでなく、医師やカウンセラーとの連携でやることが大事になります。
何度もいいますように、不適応といっても様々な要因や現れがあるわけですから、職場内の業務に起因することにしても、家族内でのストレスによるものにしても、それらがうまく解決ができていれば、そう再発ということを心配しなくてもいいこともあります。