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精神的不健康といわれるものの中には、いわゆる病気とは考えられない一群があります。

エの人格障害というのは性格の偏りを持った人ということで、病気ではありませんが、いろいろな社会問題を起こすことがあります。これも、程度や分類は様々で、切りがありませんし、それを説明するのが主旨ではないので、一般的に職場で、変わりものとか、一匹狼的といわれている人などを頭に浮かべてみてください。そうしますと、このような人たちは職場で周囲との協力関係、人間関係が円滑に行かないことが多く、職場でも困ることが多いというのも事実です。周りが対応に困るだけでなく、本人自身も悩んでいるということもあります。

オの病気とはいえない不適応状態は、例えば前途のピーターパン症候群などのメンタルヘルス症候群のかなりの部分が入ると考えられます。

最後のカの精神遅滞は、もともと知的障害のある人たちのことで、気の毒であるなしは別として、一般の職場では問題として取り上げられることも少ないかもしれません。

 

(3) ICD10とは

いずれの疾病や不健康においても、それらの人たちへの対応は、ある意味でカウンセリング・マインドが必要であるともいえると思います。専門的な治療の問題は別の課題であるとはしても。従来診断は比較的わかりやすいという反面、診断にばらつきがあるということで、どちらかといえば、疾病統計上の問題も踏まえて、国際的な診断基準ができ、その一つがICD10です。(表13)

 

 

 

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