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ク 抜擢に伴う配置転換

配置転換そのものがストレスになるということは既に述べました。これに抜擢という状況が絡んでくると、セ 自分の昇進・昇格とも当然関係しますが、よりストレス度が高いといわれるようです。というのは、それがいいか悪いかは別として、これまでの日本の社会は、年功序列型の職場体制であったように思われます。これは一部に不満も出る反面、気楽だという見方もできるわけです。年功序列型が職場の活性化にマイナスだと考えられなくもありません。しかし、アンケートなどでは、年功序列型の体制を肯定する答えが結構多いというのも事実のようです。ただし実際にはそれが次第に崩れてきているという現実があるわけです。どうしても日本人的な発想(といっていいかどうかわかりませんが)からすると、先輩を飛び越えて、例えば監督者に就くというのは、かなり精神的な負担になるようです。事実、職場では序列が下になった人よりも、抜擢された人の方がよりストレス度が高いというアンケート報告もあります。責任が重くなることだけの問題ともいえないようです。抜擢されたことにより、周囲の目を気にするというようなことでなくても、なかなか、自分自身で割り切ることが困難だということがあるのかもしれません。前にも述べましたが、周りから見ると良いことも、ストレスになるという例にもなります。

ケ 仕事のペースの変化:活動の増加や減少

仕事の内容そのものが大きく変わらなくても、何らかの事情で極めて忙しい日が続くとか、逆に仕事が少なくなって暇になったとかということがあると、リズムが崩れるというか不調をきたす元になり得るでしょう。急に忙しくなるのはもちろんですが、暇になるというのは単純なことばかりでなく、俗にいう窓際族的になってということもあるでしょうし、企業などでは不景気のため仕事が少なくなってということも考えられるでしょう。いずれにしても、精神的な負担の元になるであろうということは理解できると思います。

 

 

 

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