「なぜ相手の実名まで挙げて彼女を責めたのか…。それさえなければこんなことにはならなかったのにと後侮しています」。
「その女性は大変な美人なんです。その上、気配りができるというタイプで、周りの男性のほとんとが彼女と付き合いたいと思っていたんじゃないかと思います」。
そういう中で、彼女が隣の職場の人間と不倫をしているという噂がN課長の耳に入りました、彼女の相手と考えられる男性とは仕事上のかかわりがあって打ち合せを一緒にすることが多かったといいます。ある時、彼女にだけ伝えておいた秘密の情報が翌日には彼が知っているということに気付き、やはりそういう関係なのだと思い込み、強い嫌悪感を抱いたようです。
「自分には男性の不倫は構わないが、女性はそういうことはしてはいけないという考えが強くありました。そういう固定観念にも問題があったと思います」。
自分の中に、彼女に対する複雑な思い入れがあって、一層感情的になってしまったことに後になって気付いたといいます。「彼女が不倫を認めて、素直に謝ってくれると期待したのですが、そんなことは、無理な話でした。今では仕事をよくやってくれた彼女を苦しめたことは悪かったと反省しています」と話しました。
「“加害者”にもカウンセリング・マインドによるケアが必要」
ここでは、セクハラを起こした人に対してもじっくりと話を聞く必要性があるといいたい。加害者がこういう言動を繰り返さないためであり、これは被害者を守ることにもつながります。また、どこからどこまでがセクハラかということは本人(女性)の主観的な感じ方によるところが大きいのです。加害者の方が被害者であったという実例もないわけではないからです。