「女性部下への注意で“セクハラの犯人”に、誤解は解けるか」
ある日職場の男性課長N氏(46歳)が、部下である女性のSさん(25歳)を応接室に呼び出して「最近、仕事上のミスが重なったのは、あなたの異性関係に原因があるのではないか。あなたには婚約者がいるのに、隣の職場の既婚男性と不倫の関係があるという噂がある。こういうことは職場の秩序を乱すし、あなた自身のためにもよくないと思う」と告げました。
Sさんは、その場でそういう不倫などはしていないと反論しましたが、N課長も「最初は自分もそう思っていたが、あなただけに話した仕事上の秘密を、その相手の人が知っているということが何回かあった」と譲りませんでした。
その後も二人の間で言い合いが一週間以上続きました。N課長としてはSさんがこのことを認めて謝ってくれるかと期待していたのが、「私を信じてください」の一点張りだったため、相手の実名まで挙げて認めさせようとしたといいます。
この職場は、男性はN課長以外5人、女性がSさん1人というところで、日中は男性は仕事で外出するため、N課長とSさんが2人きりになることが多かったのも事態を悪くしたようです。その翌週から彼女は休み始め、事情を知った家族が人事部に訴え出ました。
人事部としては、彼女の話を詳しく聞いた上で、N課長を呼んで、部下の女性がこういうことで会社に出てくることができなくなった責任は大きいと厳重注意をしました。N課長としては、「上司として自分は職場の秩序を維持するために必要な指導をしただけで、セクハラを行うなどの意図はまったくなく、非は認められない」と主張しました。
そこで、人事部は、上司とSさんの接点をはずすために、Sさんの同意を得て、彼女の希望に沿った部署に異動をさせました。その後、外部の相談窓口にN裸長に対するカウンセリングの依頼がありました。
「セクハラで告訴?不安で眠れない上司」
「自分の名前が新聞に出るのでしょうか?」と開口一番、N課長は言いました、セクハラということで追い込まれた気持ちが強まって、話にならないほどでしたが、これまでの仕事の経験など様々な話を聞いているうちに落ち着きを取り戻しました、何回か面接を重ねるうちに、そのときの状況を振り返り、こう話しました。