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ちょっとした心の不調です。ストレスは避けたいと思っても、立場上、やるべきことはやらなければならないし、また、ストレスがかかることを承知で自分から何かやりたいと思うこともあります。しかし、あまりに過度なストレスがかかっていたり、容易に解決策が見つからなかったり、悩みの悪循環が生じるような状況が続くと、心の不調が重くなってしまうときがあります。そんなときの上司の状況判断と対応が非常に重要になります。

 

「過度のストレスでうつ状態に陥ったエリート銀行マン」

Aさん(33歳)は、都市銀行にトップクラスの成績で入行したといわれる人です。本人の話によると、内定を受けた三社のうちから銀行を選んだのは、様々な経済活動を知るためには、銀行が一番いいと考えたからだといいます。入行後は、きわめて順調なコースをたどり、二つの支店で入行時の評価どおりの実績を上げました。

とくに二つ目の支店は競争の激しい地域にあり、一年近くの間、夜中の11時、12時まで仕事をするのは当たり前という生活を続けました。その間に結婚しましたが、妻(専業主婦)からは、「仕事中心の会社人間で、家庭をかえりみない。私が話しかけたことに対して何も答えが返ってこない。こんな生活には耐えられない」と不満を言われていたといいます。

 

「周りからのサポートを得ることが下手なタイプ」

本人の話を聞いていると、大変な状況を自分でつくっているようなところも感じられます。営業の仕事では、数字を上げていくと同時に、人付合いがうまくいくかどうかも問われます。Aさんは人一倍努力をし、遅くまで仕事をすることで成績を上げましたが、周りからのサポートを得ることがうまくできていなかったようです。

Aさんは、自分の内面を隠し、人前では弱みを見せたくないというタイプです。成績を上げていたので、上司の評価は高く、信頼も得ていましたが、同僚や女子行員たちとの付合いは苦手なほうでした。日ごろの人間関係が稀薄なため、例えばお客のところに持っていく書類づくりを至急に頼むようなときや、日中にAさんのテリトリーのお客から電話がかかってきたときの対応などで、協力を頼みにくかったといいます。

 

 

 

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