日本財団 図書館


励ましの言葉は心から誠意をもって、相手の心理状態を的確に把握した上で、選ぶ事が大切です。神経質な人や生真面目な人に「頑張ってください」という言葉はかえってプレシャーになったりするものです。そういう場合は不安を軽減させる言葉をつけ加える必要があります。また単に相手を励ますだけではなく、「お互いに頑張ろう」という表現の方がより効果的なこともあります。つまり励ます方と励まされる方とが同じ気持ちになることが効果を上げるのに大切だということです。

エ 「忠告」と「苦言」は覚悟と自信をもって行う

だれにも何らかの欠点や問題点があるものです。知っていても人に欠点や問題点を指摘されることは嫌なものです。忠告というのは、相手の悪いところを指摘して直すように勧めることをいい、苦言は受けた人には、気分のよくないことだけれども、身のためになる忠告のことをいいます。忠告や苦言をする側もされる側も余り気持ちがよいものではありません。

でも相手にとって、どうしても必要であれば、忠告や苦言を相手に受け入れてもらう必要があります。

うわさでなく事実を確認して、相手の気持ちや立場を尊重してから、「あなたのためなのだ」という覚悟と自信をもって行います。いきなり忠告や苦言をはじめるより、まずは長所などをほめてからのほうが、受け手に有効になります。威張った態度では、その後の人間関係が気まずくなることも考えられます。

オ 「ほめること」と「しかること」

やる気をもたせ、人を動かすやり方は、ほめることです。忠告や苦言で改められた行為をほめてあげれば、「改めてよかった」と本気で思うはずです。上手にほめれば、職員は気持ちよく仕事をこなしながら、円滑な人間関係が維持されていくとともに、自己確認の手掛かりにもなって、自己向上の手助けになります。また忠告や苦言が受け入れられない場合やミスが度重なった場合などは、しかるという行為が必要になります。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION