そして「そうか、そうだね」とこちらが、認める事によって、会話の主導権が相手にあることを相互に確認します。
エ 「質問のスキル」を使ってみる
会話の途中で、程よく質問しながら、事実や感情を検証することも会話の技法の一つです。キャッチボールをしながら、マイナスの感情は修正していきます。推量した内容の修正や確認にも質問を使います。質問は次の質問をタイミングよく併用します。
・ 開かれた質問
「仕事の進み具合はいかがですか?」というような「イエス」「ノー」で答えられない質問のことをいいます。英語でいういわゆる5W1Hに基づいて、情報を収集します。開かれた質問は、返答の自由を相手に与えられることになり、会話もスムーズになることから相手の感情や意見を導きやすくします。自分からは言い出せないけれども、質問されれば答えようと思っている事を質問すれば、次から次へ会話が発展していきます。
ただし、「なぜ」「どうして」(Why)という質問には気をつけなくてはなりません。部下に対して「どうしてキミは…」と言うのが口癖のようになっている監督者もいますが、「どうして」「なぜ」ばかりで質問していると、詰問調になって、相手もウンザリしてしまいます。否定的な雰囲気は、相手の防衛機制を強めることになって信頼関係を悪くすることもあります。「なぜ」というよりは、「何のために」(for what)「どうやって」(How)というふうに将来の目的や対策を問う質問に置き換えて質問する方がよいのです。
・ 閉ざされた質問
いわゆる「イエス」「ノー」の答えを誘導する質問です。話の切り出しや情報の確認のために使います。
口数の少ない相手などには、まず閉じた質問でリラックスさせてから、開いた質問へと誘導していく方が会話の展開が自然です。