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部下のほうは、表情の変化を見逃しません。「この課長は話を上の空で聞いている」と感じれば、途端に会話のトーンが下がるでしょう。受容は話す意欲を高める効果があります。

イ 「繰り返しのスキル」を使ってみる

相手の話したことを、話のポイントとらえて繰り返していうことを、「繰り返し」といいます。この「繰り返し」も「今度管理課の山田さん結婚するそうですよ」「エッ 結婚するの?」のように日常の職場の会話でもよく使われています。

繰り返しといっても1字1句そのまま繰り返すことをいうのではありません。そのままのオウム返しでは、真剣さが感じられずに効果はありません。相手が感情をこめた言葉や話のエッセンスを整理して繰り返すことにより、相手が自分の気持ちに向き合うことができるわけです。できれば相手と同じ感情をこめて良いタイミングで繰り返すようにすれば、「分かってもらえている」という確認にもなり、より効果的になります。

特に、職場で上司に自分のことを分かってもらえているということは、大きな安心感を生み出します。

ウ 「明確化のスキル」を使ってみる

明確化は、相手の代わりに本当に言いたいことを言語化して、相手が意識化できないでいる感情を意識化させることをいいます。

意識化させることによって、相手は自分の本当の感情に気付くことができます。適当な言葉が見つからず、沈黙している場合などはスッキリして、その先に話を進めることができるようになります。明確化には、1]相手のニーズを見抜いて、提言する2]相手の感情を推察して、確認する、というスタイルがあり、明確化が当たれば安堵感・満足感が生じ、ときには涙ぐんだりすることもあります。傾聴のスキルとしては、今までよりも少し高度になりますが、相手の自らの行動変容へと導く手掛かりになります。

時にはわざとはずれたことを言ってみるのも有効です。違えば相手は「それは違います」という反応をすることにより、感情を確信します。

 

 

 

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