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4 職場でカウンセリング・マインドを活かす具体的方法

 

ここでは、前に述べた基本的なカウンセリング理論をふまえて、実際の職場の会話場面でのスキルについてまとめてみます。

現実の会話にスキルを活用することによって、カウンセリング・マインドは有効に展開されていきます。

 

(1) 職場での1対1の対話を大切にする

1] 積極的傾聴を行う

前に説明したように、1対1の対話では、傾聴のスキルがかぎとなります。繰り返しになりますが、「聴く」というのは、「聞く」ということとは大きく違います。「聞く」は、受動的に何気なく聞くことで、「聴く」は能動的・積極的に意識して聴くということです。この傾聴のスキルには受容・繰り返し・明確化・質問があります。

ア 「受容のスキル」を使ってみる

私たちは、「へぇ一」「なるほど」などの「あいづち」を職場での会話にもよく使っています。首を振って「うなずき」などのジェスチャーをしたり、「あいづち」をうったりしながら、相手の話を最後まで誠意をもって聴くことを「受容」といいます。この受容は、一生懸命聴いて、相手に心地よく、たくさん話してもらおうということです。

しかし実際の受容の場面では、例えば、部下の話を真剣に聴いているつもりでいても、「さっき電話をするのを忘れた」とか、「今日は確か妻の誕生日だったな」などと心に突然他のことが浮かんできたり、相手が自分の考えと合わないようなことをいえば、拒否的な表情をしたりとブロッキング現象が起こることがあります。ブロッキング現象が起きたら、意識化して脇に置くようにします。今は目前の相手の話に専念して、聞くことを意識して心掛けます。

 

 

 

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