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2] 積極技法について

積極技法とは、カウンセラーが相談者に影響力を与える為に用いる技法です。アレン・アイビイ(Ivery, A.E.)が創始したマイクロ・カウンセリングにおいては、積極技法には次の7種類あるとされています。

ア 指示技法

相手に対してどういう行動をとってもらいたいのかを、直接指示する方法をいいます。しかし、いつも遅刻をしている人に対して、「遅刻してはならない」というのは指示技法ではありません。もっと行動レベルにおろして、「夜10時には眠るように約束できますか」と、具体的な指示を与えるようにするということです。

イ 論理的帰結法

例えば相談者がAに進むべきか、Bに進むべきか、その選択に迷っている時、それぞれ、Aに進むとどうなるか、Bに進むとどうなるかを本人に予測させます。その上で、本人にそれら2つの予測結果を論理的に比較させ、どちらが望むべき結果なのかを冷静に選ばせるというものです。

ウ 解釈法

本人がとっている行動を客観的に見つめるとどう見えるのか、カウンセラーの角度からの見解を述べる方法です。解釈は一種の推論であり、ベテランの分析者でないと難しいとされています。

エ フィードバック法

心理学でいうところのフィードバックとは、「行動や反応をその結果を修正し、より適切なものにしていく仕組み」という意味があります。つまり上記の「解釈法」は、一種の推論でしたが、このフィードバック法はあくまでも事実の指摘ということになります。周囲の人は気付いているのに、本人が気付いていないこと、あるいは気付こうとしていない事柄を客観的な立場から伝えていくということです。

 

 

 

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