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1] かかわり技法について

基本技法である、かかわり技法には次の6つが挙げられます。

その際まず最初に、「あなたが自分のことを話して、気持ちを整理したり、これからの方向を考えることに、少しでもお手伝いできたらよいと思います。」という意味のことを相手に伝えると、関係づくりがスムーズにいき、その後の技法もより有効になってきます。

ア 単純な受容

相談者の発言に対し「ハイ」「ええ」「そうですか」など度々あいづちをうったり、あるいは軽くうなずきながら聴くことです。そうすることで、非審判的、許容的雰囲気が生まれます。そうすると相手は、この人は何を話しても私の身になって聴いてくれる人だ、と思ってどんどん話を続けます。そうして話をしているうちに何が問題か本人が気付くようになるのです。

イ 再陳述(繰り返し)

相談者の発言の大事なポイントをとらえて繰り返すことです。つまり自分がまるで鏡になったように、相手の言葉をそのまま反射させます。自分が発した言葉がそっくりそのまま返ってくることにより、相手は初めて自分の考えに客観的に直面することができるようになります。そうすることで、自分の感情、考え方を整理できるようになるのです

ウ 感情の反射

相談者の今ここでの感情をとらえ、できる限りそっくりそのまま返すことです。「今あなたが言ったことは…ということですね」(反射の基本形)、と返すことで、相談者は自分の気持ちを分かってもらえたと安心します。

ここでの大事なポイントは、2]の事柄レベルではなく、感情レベルをとらえるということです。その際できる限り、相談者の言葉をそのまま返す方が間違いがありません。不用意に言い換えるとトーンダウンするばかりか、感情が微妙にすれ違う事にもなりかねません。

 

 

 

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