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この場合、どのような態度が一番適切だと思われますか。相談場面においては、5番目の理解的態度が中心であって欲しいと思います。例えば上記の表でいくと、4番目の支持的態度というのが、一見優しそうで、よさそうな気がしませんか。しかし相談者は大丈夫ではないから相談に来ているのです。それを安易に支持だけされても困惑してしまいます。また、過度に励まされると、こんなに頑張っているのにもっと頑張らなきゃいけないのかと、余計にプレッシャーを感じて辛くなってしまうのです。

次に「カウンセラーの態度に対応する相談者の態度」を一覧表にしてみました。カウンセラーを上司に、相談者を部下に置き換えてみてください。職場においていつも不満に思っていた部下の態度が、実は上司の態度と無関係ではなかったということに気付かれるのではないでしょうか。

 

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(3) 話を聴くスキルのポイント

三角形の下2つ、すなわち1]人間観・哲学、2]態度・姿勢がお分かりいただけたことと思います。その基礎固めがあって初めて、いよいよ一番上にある技法の説明にはいりたいと思います。

具体的な職場でのスキルの用い方については、次項で説明しますので、ここでは、それぞれの技法がどのような意味を持ち、なぜそれが必要なのかを中心に、心理学的な要素も多少含めながら説明します。

 

 

 

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