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依存性を植えつけるばかりか、悩んでいる本人の成長の機会をも奪いかねません。

あなたは、部下に適切な答えを与えるのが、優秀な上司の役目だと思ってはいませんか。そして、「自分はこんなに頑張って部下を指導しているのに、ちっとも優秀な部下が育たない」と不満を感じてはいませんか。人間とは、何か問題が起きたり、壁にぶつかったりした時に初めて自分自身を見つめ直し、どうすればいいかを真剣に考えようとするものです。そんな部下のせっかくの成長の機会を奪わないようにするには、一体どうしたらいいのでしょうか。

イ カウンセリングとは

一方カウンセリングとは、「言語的及び非言語的コミュニケーションを通して行動変容を試みる人間関係」と定義されています。つまりそれは、表面に現れた問題の解決そのものよりも、相談者の人間性の回復、パーソナリティーの成長を目指します。

したがって、相談場面においては、問題の事柄よりも人間そのものに焦点を当て、対等な二人によるコミュニケーションによって、相手の問題解決を援助するというアプローチが取られます。極端な言い方をすれば、こちらが問題の解決策を提示するのではなく、本人が自己洞察を深め、自分で解決策を見出し、自分の足で歩き出すプロセスを支援するということになります。その結果、例えまた同じような問題にぶつかったとしても、本人の人間性、パーソナリティーそのものが成長しているわけですから、今度は、人に頼ることなく自分一人で問題を乗り越えられるという訳です。

つまり先程の例でいうと、「あの上司は、さして優秀でもないし大したこともしていないのに、なぜかいつも優秀な部下に恵まれている」ということになるのではないでしょうか。しかし実はこの上司は安易に解決策だけを提示するのではなく、部下を一人の責任ある人格として大切に取り扱っています。

 

 

 

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