3 話を聴くスキルと最小限知っておきたい心理学的知識
ここまでカウンセリング・マインドの概要、基本的態度などを説明しました。しかし、より正しくカウンセリング・マインドを身につけるためには、その基盤となっているカウンセリング心理学や心理療法の基本についても一通り知っておく必要があります。そこで、ここではカウンセリングの心理学理論についてもふれてみます。
(1) 積極的傾聴法とは?
「積極的傾聴」という言葉から、あなたは何をイメージしますか?傾聴とは人の話にひたすら耳を傾けること。つまり「聴くこと以外何もしないということを、積極的にする」という、一見矛盾した二つの言葉が組み合わさっているようにも思えます。
しかし、ここでいう積極的とは、「聴くほうの人が、積極的に相手を分かろうとする働きかけを持つ」という意味があります。
このように言葉ではどうも分かりにくい時は、自分の生活レベルにおろして考えると、理解が得やすいかもしれません。そこで、実際の職場を想定しながら、まずは混同されやすいコンサルテーションとカウンセリングの違いについて考えてみたいと思います。その上で、「職場においてなぜカウンセリング・マインドが必要なのか?」、そしてそれを可能にするための「積極的傾聴法とは何なのか?」について考えてみたいと思います。
1] コンサルテーションとカウンセリングの違いについて
一般的に日本では、コンサルテーションもカウンセリングも「相談」と訳されています。その区別はあいまいで混同されて使われている事も多いようです。しかし、「職場において、なぜカウンセリング・マインドが必要か」を学ぶに当たり、その違いを明確にしておく事が大変重要になってきます。