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勇気をもって相談に来てくれたことに対して、相談された人はきちんと答えなくてはなりません。相談された人は、相談者の味方なのだという心掛けが必要です。

イ 人間的理解を深めておく

日ごろから人間理解についての基礎知識を身につけておくこと、カウンセリングの理論や技法についても、学習しておくように心掛けておきます。相談にきた人は特別な人ではなく、人間であればだれにでも起こりうる壁にぶつかっているのだと理解をしておけば、先入観を持たずに話を聴くことができます。

ウ 専門家への相談

相談者の表情・行動を観察して、眠れなかったり、食事がのどに通らなかったり、職場に適応できない状態が継続しているようだったら、迷わず専門家に相談するようにします。

日ごろから、安心して相談できる専門家や病院との関係を作っておくことが必要です。精神的な病気の場合には、早期に専門医の治療を受けることが、早期の職場復帰につながるのです。

治療を避ける場合には、職員本人やその家族への説得も必要になります。

エ 人事情報

異動・昇進などの人事情報データなどを収集しておくように心掛けておけば、職場での人間関係や職員のストレスの状態などが立体的に把握しやすくなります。必要ならば、家族構成などの個人データなどについても、相談者の口から聴いておくことも問題解決へのヒントになるでしょう。

オ 時間設定と場所設定

だらだらと長い時間相談をしたからといって、早期に問題の解決ができるわけではありません。時間をきちんと決めて相談をすることが大切です。1時間なら1時間という決められた中で話をしなければなりませんので、有効に時間を使おうとするはずです。どうしても終わらなければ、次回にします。1度家に帰って冷静になれば、「これも話したかった」という反省にもなり、次回の相談はよりよいものになります。また場所については、安心して気楽に話のできる場所の確保が必要です。他の人に相談していることが筒抜けでは、落ち着いて話ができません。深刻なことだけではなく、ちょっとしたストレス解消の相談でも、気軽に立ち寄れる雰囲気の場所の確保を心掛けたいものです。

 

 

 

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