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自分のことは、絶対秘密にして、人のことばかり聞き出そうとする人がいます。相手は「何を聞き出そうとしているのか」と警戒心をもって、口を閉ざしてしまうでしょう。監督者としては、自分の失敗や成功を大いに語って、部下への勇気づけを心掛けることです。ただし自慢話は禁物です。自慢ばかりしても部下はうんざりするばかりです。

ウ 観察力

日ごろから部下の人間関係や一人一人の仕事のやり方などしっかり観察しておくようにすると、部下からのいろいろなメッセージが伝わってきます。言葉だけでなく行動にも注意をしておきます。職場に一番早く来ている人はだれか。残業の多い人はだれか。きちんと部下を見ていれば、いざという時に大いに役立つはずです。好意をもって観察すれば、部下の方も良い刺激となって緊張感をもって仕事ができます。ごまかしが効かないと思えば、いい加減なこともしないはずです。ちゃんと自分に関心をもっていてくれるという思いは、頑張れば評価してもらえるという思いにつながります。監督者としては、好意をもって観察をする力を養っておく心掛けが必要です。

エ 悩みの解決

自分の悩みは、早めに解決しておくことです。悩みのない人はいません。悩みはあって当然ですが、悩みを引きずっていれば、仕事に身が入らないばかりか、部下のことも考えることができません。自分が大変なのに人のことを先に考えるなんてできるわけはありません。一人で解決できない時は相談できる人を日ごろから作っておいて、早期に解決をしておけば人の話を聴く姿勢を持つことができます。そして自らの人生を楽しむべきです。監督者は夢を部下に語れる人であってほしいものです。さらに座右の銘をもっていれば、異動になったかつての部下も「あの人はいつもこんな時は、部下にこんなふうに語っていたな。」と印象深く心に残っていくのです。

 

 

 

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