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まず、監督者の役割について考えてみましょう。

1] 監督者の役割

ア 不平・不満の解消

職員が不平や不満を抱えていて、それを解消する場がないとすれば、やる気は当然低下していきます。やってもやらなくても同じであれば、当然やらない方を選択するでしょう。またえこひいきも不満の原因になります。なぜあの人が?という疑問が職員の間に広まれば、人間関係も気まずくなります。日ごろから職員の不平・不満に耳を傾け、きちんと対処しておくことは、監督者としての当然の役割と言えます。居酒屋などで1杯飲むのもいいかもしれません。でも「今は我慢してくれ」「仕方が無い」だけの対応では、いずれ不信感が生じます。キチンと聴いて、問題を解消していけば、「うちの上司は、不満を真面目に聴いてくれるし、正しい判断をしてくれる」ということになって、多少の不満なら我慢をして、協力してくれるはずです。女性職員への対応も「女はあとで面倒だ」などの先入観を持たずに男性職員と公平に対応することが必要ですし、なんでもかんでも調子よく聴くのではなく、できないことはできないことときっぱりいっておくことも必要です。ただし、自分の保身だけで不満を聴く姿勢はかえって不満を募ることになってしまいます。

イ 問題解決の援助

職員が職場で何かトラブルを抱えている場合は、早期に解決できるように援助していかなくてはなりません。トラブルの原因やトラブルを抱えている職員本人だけでなく周囲の状況にも注意し情報を収集しておいて、適した援助をします。周囲の情報だけに目を向けると知らずにレッテル貼りをしてしまう時があるので、注意をする必要があります。職員が私的な問題を抱えている場合もあります。能率に影響するようであれば、なかなか言い出せないようでも、プライバシーを尊重しながら、積極的に手助けを試みることも時には大切なことです。

 

 

 

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