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話を聴いた後の対応も、相手のニーズによって変わってきます。

「ただ話を聴いてもらえればそれでいい」という人に対しては、話をじっくりと聴いてあげ、相手を理解してあげようとする段階で終えてもよいでしょう。逆に、相手が何かアドバイスを求めているのであれば、適切なアドバイメをすることも必要になります。そのアドバイスの仕方も、自分の失敗談を話してあげる方法もありますし、情報提供をしてあげるという方法もあります。

あるいは、相手がキャリア支援を望んでいるのであれば、その職場で本人が望むようなキャリアを描けるようにアドバイスをしてあげることも重要になります。

一方、メンタルな面でパワーダウンしていて休養を求めているような人には、仕事配分に配慮してあげたり、場合によっては医師や臨床心理士など専門家への橋渡しをしてあげたりすることが必要な場合もあります。

このように、対応法は多様なニーズに合わせて、複数のメニューを用意しておくということが必要です。

とはいっても、特別に難しいことではなく、通常のマネジメントで行っていることを、状況に応じてするだけのことです。ただ、それは一律の対応法ではなく、相手のタイプや相手の状況に合わせて、柔軟性を持たせるということがポイントとなります。

 

(10) 話をすることもカウンセリング・マインド

カウンセリング・マインドにおいては、「話を聴く」ということが基本です。しかしながら、それは話をしてはいけないという意味ではありません。

カウンセリング・マインドで強調されているのは、「話を聴く」ことを第一ステップとして行うということです。ですから、第二ステップとしては、「きちんと話をする」ということも、カウンセリング・マインドの中に入ってきます。

 

 

 

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