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一方では、コンピュータにのめり込みすぎてしまうような人も出てきています。人対人の直接のコミュニケーションが苦手で、業務連絡も部下指導もすべてネットワーク上で済ませようとするような人です。それによって、人間関係作りにそごをきたすなど新たなコミュニケーションの問題も出てきています。

また、IT化の流れが働く人に及ぼした影響はそれだけではありません。仕事のスピードという点でも大きな変革をもたらしました。情報通信の世界は、1年が7年に相当するドッグイヤーなどと言われるほど、急速な変化を遂げています。情報ツールを仕事に取り入れる場合も、次から次へと新しいツールが生まれてきて、日々新しいハイテク用語が生まれてくるため、ついていくだけでも大変です。このような急速な流れの中でとまどいを隠せない人もたくさんいます。

こうした急速な環境変化は、働く人に大きなストレスを与えるようになっています。ストレスフルな状況下で、体調を壊したり、心理的に不調になったりする人も出てきています。また、人員削減の結果、一人一人の労働密度が高まり、過労に悩む人も増えています。

このように職場環境自体が非常にストレスフルになってきていますので、心理ケアの面からもカウンセリング・マインドが求められてきているのです。

 

(6) 職場でのストレス対策も求められている

ストレスフルな職場環境、経済環境が労働者に与えている影響は、各種調査でも明らかになっています。労働省の労働者健康状況調査によれば、平成4年には、仕事や職業生活で強い不安、悩み、ストレスを感じているという労働者が約57%であったのに対し、平成9年の調査では、それが約63%に達しています。

また、警察庁が発表する自殺者数でも、平成10年、11年と2年連続で、年間自殺者が3万人を超えています。この自殺者急増の主な要因は、経済上の問題であるということも発表されています。不況下であり、しかもリストラの常態化など労働環境が構造的に変化している中で、経済的な不安や問題を抱える人も増えているということでしょう。

 

 

 

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