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ストーカー行為等の規制等に関する法律の概要

寄稿 長野県警察本部生活安全企画課

ホームページ http://www.avis.ne.jp/~police/

 

1・はじめに

「ストーカー行為等の規制等に関する法律」は、ストーカー行為が殺人事件にまで発展したケースが取り上げられ、大きな社会問題となっている中で制定された法律であり、去る平成十二年十一月二十四日に施行となりました。

ストーカー行為の特質は、被害対象がほとんど女性であり、一人の行為者が同じ行為又は複数の行為を執拗に繰り返し、長期化して、次第にエスカレートする特質を有していることであります。このような不安を覚えさせている行為を規制して、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、生活の安全と平穏を確保することを目的として、警察が本格的なストーカー対策に取り組むことができることとなりました。

 

2・法律の概要

(1) 法律では、被害者に向けられる行為を「つきまとい等」と「ストーカー行為」の二つに区別して、次のように定義しています。

 

●「つきまとい等」とは、

特定の者に対する恋愛・好意感情、又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情の目的で、特定のもの、または配偶者、直系若しくは同居の親族、社会生活に密接な関係者に対し、1]〜8]いずれかの行為を行うことを言います。

 

1] つきまとい、待ち伏せ、立ちふさがり、見張り、押しかける。

2] 行動監視しているような事項を告げ、またはその知り得る状態に置く。

3] 面会、交際その他の義務のないことを要求する。

4] 著しく粗野または乱暴な言動をする。

5] 無言電話、連続電話、ファクシミリ送信する。

6] 汚物、動物の死体等送付、またはその知り得る状態に置く。

7] 名誉を害する事項を告げ、またはその知り得る状態に置く。

8] 性的差恥心を害する事項等の告知・送付、またはその知り得る状態に置く。

 

●「ストーカー行為」とは、

つきまとい等の1]〜8]の行為を同一の者に反復して行うことをストーカー行為といいます。(ただし、1]〜4]の行為については、身体の安全等に不安を覚えさせる方法により行われる場合に限る。)

 

(2) つきまとい等の禁止「何人も、つきまとい等をして、相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、または行動の自由が著しく害されるような不安を覚えさせてはならない。」旨を定め、何人(配偶者、少年であっても)もしてはならないとしています。

 

(3) 被害者が警察に求められる措置ストーカー事案の被害者は、警察署等へ相談し、希望したい次のような措置の申し出をして、行為の中止や被害防止措置を図ることができます。なお、相談事案の内容に他の犯罪被害が生じている場合には、当然ですが、その事実を優先して検挙することもできます。

 

1] ストーカー行為の被害を告訴して検挙してもらうこと。

2] つきまとい等の被害を受け、警察署長等による警告を実施してもらうこと。

3] 警告にも違反した被害を受け、公安委員会による禁止命令を実施してもらうこと。

4] 公安委員会の禁止命令にも違反した被害を受け、検挙してもらうこと。

5] つきまとい等の被害を申し出て、警察署長等に次のような援助を実施してもらうこと。

 

○ ストーカー行為等の被害を自ら防止するための措置の教示。

○ 被害防止交渉を円滑に行うために必要な事項の連絡。

○ 援助の申出に係るストーカー行為等をした者の氏名及び住所その他の連絡先の教示。

○ 被害防止交渉等の際の心構え、交渉方法その他被害防止交渉に関する事項の助言。

○ 防犯器具等の教示または貸し出し。

○ 被害防止交渉を行う場所として警察施設の利用。

○ ストーカー行為防止活動等を行っている民間団体等の紹介。

○ 警告、禁止命令又は仮の命令を実施したことを明らかにする書面の交付。

○ その他ストーカー行為等に係る被害を防止するための援助。

 

3・おわりに

警察では、ストーカー対策について、被害者保護・支援活動に携わる関係機関・団体等との連携にも努めていくこととしておりますので、今後ともご理解とご協力をお願い致します。

<参考>ストーカー規制法・対応の流れ・防衛対策等について長野県警察ホームページに掲載しております。

 

 

 

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