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まず被害者支援は、被害者に対する偏見と予断をな<す、被害者に配慮する気持ちが最も大切なことだと思います。市民レベルの被害者支援にはカウンセリング型と実践型の2つがあり、現在の日本はほとんどがカウンセリング型だが被害者が一番望むのは危機介入等実践型の支援です。住む家を探したり、親族への連絡、警察の対応など。特にマスコミに対しての被害者支援としては、過剰な取材を一本化したり、被害者が被害の現状を訴えられるようにマスコミに伝えたり、ということで被害者の負担はかなり軽減されます。こういう事はボランティアや市民レベルでないと出来ない被害者支援だと思います。

国レベルで一番効果があるのは経済的な支援です。被害に遭って家族や自分自身が大きな怪我をしたり、入院をしたり、生きて行く為に治療が必要になります。仕事を続けられな<なったり、治療を受けるお金に困る方もたくさんいます。国からは「犯罪被害者等給付金支給法」以外犯罪被害者には給付されません。平成10年、犯罪被害者給付金で国から被害者に支払われたのは、5億7千万、一方加害者に支払われたのは、国選弁護人46億円、拘置所など350億円でした。被害者だけ特別にというのではありません。せめて加害者と同等にと思います。また現行の裁判について、出所情報の開示、公判記録の開示、傍聴などについて、被害者にも知る権利があります。犯罪によって被害を受けたのは被害者なのだから、被害者や被害者の遺族のために裁判があってほしい、と思います。

 

話をしてくださった武さん、本村さんに…(参加者の声から)

 

被害者とその家族の心と、地域の人の心の距離が少しでも近くなることが実現すること、行政・立法レベルでの被害者の支援が進むことの大切さがよく分りました。

 

お二人からのメッセージをしっかり受け止めました。私も出来ることからやり始めていきたいと思います。

 

辛い体験のなかで考え、感じられたことを聞かせていただき、また被害者の辛さを少しですが深く受けとめることが出来ました。

 

こういう活動をされることによって、再び痛みが想起されてしまうであろうことをかえりみず責重なお話をいただけたことに心から感謝します。また、受けた傷によるマイナスのエネルギーを昇華させ、こうした活動によりプラスのエネルギーへと転換させているお二方の「強さ」に心より敬意を表します。

 

 

 

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