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題2回(11月2日) 被害者支援〜海外のとりくみ〜

 

講師:ヴィッキー・シャープ(アリゾナ州被害者証人プログラムディレクター)

全米各州における被害者支授プログラムの開発指導や危機介入の講習等を行いつつ支援活動に携わるヴィッキー・シャープ氏を迎え、支援活動の実際についてうかがいました。

【被害者への事件直後の危機介入】

*連絡があった時、現場に直行し、その場を引き継ぐ。

*危機直後には複雑な方法は要らないかもしれない。

*それよりもただ、じっと側に座っているだけかも知れない。

*言葉(内容)より、温かいトーンの声が直接相手の中に入っていく。

事件が起きた時、被害者は何を感じ何がしたいか、今どうしたいか、その人に選択肢を与えることが被害者を日常に近い気持ちに戻すことが出来る。

[危機介入]

1] 被害者がトラウマになる身体的状況(危機に直面して起こる反応)

・ショック状態が起こり身体が動かない。(身体を守るための本能)

・頭は覚えていなくても身体は覚えている。

・感覚のうち一つだけ非常に敏感になる。その感覚が記憶を戻す引き金になる。

2] 感情的反応

・何に対して自分が反応しているかが分かっていれば対処できる。

・身体に起きる反応によって、感情の反応も大きくなる。

・宗教心、信仰心、自分のアイデンティティにも変化が起こる。

・自分自身が問題の中心で、自己中心的になる。

3] 反応の激しさ

・その事件にどのくらい時間がかかったかで反応はひどくなる。

・事件が困難であったかどうかでひどくなる。

・事件の前から身体状況が悪ければそれだけ反応はひどい。

4] 危機に陥っている人の助けとなるもの

・水 ・運動 ・話すこと ・涙 ・性格な情報選択肢

・衣服の色 ・グループによる経験発表(デブリーフィング)

・マッサージ、身体に触る ・出来事を発展させる ・アンカリング等

[危機介入者の被害者に対する言葉かけ]

・この様な事件があなたに起きたことはとても残念です。

・この反応は心も身体も特別ではなく誰にでも起こることです。(あなたの感情、気持ちは非常にノーマルです)

・まったく良くはならないが、癒えるものです。

・あなたがどのように感じているか想像もできませんが、どのような気持ちか話してください。

 

 

 

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