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少ないというのは絶望しているのではなくて、少ないけれどもむしろ出来ることがあることが素晴らしい事である、というふうに考える必要があるだろうと思います。例えその人の必要としている事の5%しか出来ないとしても、5%しか出来ないと思って諦めてしまって0になるよりは、あるいは、誰も助けてくれないという思いを被害者に与えて−10になるよりも、3でも5でも少しでも助けることが出来るとういう事は、やっぱり素晴らしい事だと思います。それが次の5につながっていくかもしれない。援助する時には、そういうふうに思ってやっていかないとなかなか難しいし、また、相手の方を傷つけてしまうんじゃないかなと思います。これからだんだん、例えば被害者の方への直接の介入とか、自助グループを作るとか、あるいはネットワーク活動などが多分今後の活動の課題になってくると思います。これは大阪被害者相談室だけではなくて全国の援助組織でいえることでしょう。こういう援助活動は、YWCAのようなボランティア活動を長年やってきた団体を母体とする組織には得意な技だと私は思います。むしろカウンセリングをメインにすえてきたところではフットワークが悪いかもしれません。軽いフットワーク、豊富なネットワークを生かせる大阪被害者相談室に、これからの援助活動を期待しています。

 

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公開講演会「ストーカー被害とは」 '00.8.13

 

 

 

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