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この間に、全国には次々と民間援助組織が立ち上がり、現在、加盟準備中の組織を含めると19都道府県の20組織が全国被害者支援ネットワークのもとで連携して、支援活動を展開するまでになりました。堀河昌子氏を代表とする大阪被害者相談室が、この間にボランティア組織としての特性を生かされ、多くの被害者支援ボランティアを育成し、犯罪被害者の方々への支援に成果を上げてこられたことに、深く敬意を表したいと思います。また同時に、大阪被害者相談室が全国被害者支援ネットワークの関西の拠点として、全国の被害者支援組織の発展に重要な役割を果たしてこられたことにも、改めて感謝申し上げたいと思います。

全国被害者支援ネットワーク加盟各組織は、今後、体制が整い次第、犯罪被害者への早期直接的支援を開始していくことが期待されております。被害者支援活動が真に被害者のニーズに応えるものとなるためには、欧米と同様に、事件後早期に被害者に接し、生活支援を含む直接的な支援サービスを提供できるようになって行かなければなりません。大阪被害者相談室は、震災被害者への支援活動の中で直接的支援を実践されているので、その経験を生かしてスムーズに取り組めるのではないかと期待しております。

被害者支援の過去の貧しさを思うと、この世には声を上げることさえできずにひたすら耐えられた被害者・遺族の方々の悲しみと、このような社会への変革への願いとで、満ちているように感じられるときがあります。大震災の多くの犠牲者の願いを受けて生まれた大阪被害者相談室が、被害者支援の充実と社会の改革を目指して今後一層の発展を遂げられるよう、こころより願っております。

 

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被害者支援セミナー '00.10.7

 

 

 

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