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(3) 砂浜海岸の各種物理量の海岸間の比較

1) 海浜地形(断面)測量

海浜地形断面測量の成果から計算したH.W.L.からL.W.L.の潮間帯部分の海浜勾配を表4.31に示した。

海浜勾配の分布の傾向をみると、三浦半島西岸に位置する横須賀長浜海岸から逗子大浜海岸で10%以上と急勾配になっている。反対に材木座海岸、由比ヶ浜海岸、江ノ島東浜海岸と湯河原吉浜海岸では、海浜勾配が5%以下と緩やかになっている点が特徴的である。また、人工海浜である熱海サンビーチの海浜勾配は、その南北に位置する湯河原吉浜海岸や網代長浜海岸に較べ海浜勾配が急になっている。

この海浜勾配の違いとしては、波浪条件の違いと考えることが出来るが、先に4.1(1)11)項で指摘したように、海岸保全施設が整備されたとはいえ、本海岸が侵食性の海岸であることを示唆する。また、このことから生物の生息基盤である海浜自体が不安定な状況にあると考えることができる。

 

表4.31 各海岸の汀線付近の勾配

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汀線付近:HWL〜LWLの部分

 

2) 粒度組成(中央粒径値)

図4.21に中央粒径値の分布を示した。

逗子大浜海岸と材木座海岸を境に、中央粒径値が大きく異なることが分かる。すなわち、三浦半島西岸に位置する海浜では中央粒径値が大きく、その他の海岸では概ね同程度の値となっている。

 

 

 

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