4. 求められる砂浜海岸の姿
4.1 事例研究(現地調査)
砂浜海岸潮間帯の底生生物の実態を把握すると同時に、海浜環境に関する基礎的な指標を得ることを目的として、相模湾沿岸の12海浜を対象として現地調査を実施した。このうち、熱海サンビーチは海岸侵食の進行が顕著であったが、観光地としての特性上、海浜利用の要望が高かったことから、山砂を使用して造成された人工海浜である。
調査実施海浜は、表4.1(再掲)に示した12海浜を選定し、計16測線、48地点において海浜地形(断面)測量、底質(粒度組成、強熱減量、化学的酸素要求量、酸化還元電位)、底生生物(種の同定、種別個体数、種別湿重量)の調査を行った。
なお、現地調査については、砂浜生物が多くなるとされる時期が望ましいと考え、有山ら(1993)の報告を参考に秋季に実施した。