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3. 砂浜海岸の機能と調査手法

3.1 砂浜の機能の考え方

砂浜海岸が有する機能としては、防災機能、利用機能(親水利用、水産利用)、環境保全機能(景観、生物生息、海水浄化)の3機能に大別する事が出来る。これら機能は、砂浜環境を構成する個々の要素あるいはその組合せにより実現されている。

 

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図3.1 砂浜の機能の全体フレーム

 

防災機能は、砂浜地形自体が波浪を減衰させることから機能が発現している。最近では砂浜自体を海岸保全施設(構造物)ととらえる考え方が一般的となっている。

利用機能に関しては、海浜レクリエーションや海浜空間の利用、情操育成などの親水利用と漁業生産に係わる水産利用に分けることができる。親水利用については、気象、地象、景観や位置的条件などの要素によってその機能が決定され、水産利用については砂浜性状、海象条件、分布生物などの要素により機能が決定される。

環境保全機能は、生息場や策餌場、逃避場などを砂浜地形が提供することによる生物涵養機能、物理的濾過や生物活動に伴う浄化作用による水質浄化機能、曝気による生息環境保全などの機能があげられる。

この砂浜の持つ機能のうち、環境・生物面に係わるものとして、生物生産機能と水質浄化機能についてその機構を既往資料から整理した。

 

 

 

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