2. 砂浜海岸の現況
2.1 我が国の海岸の性状
我が国の海岸線延長は、環境庁第4回自然環境保全基礎調査海岸調査によると32,778.88kmとなっており、国土面積に比して非常に長くなっている。また、平地が少ないこともあり、海岸付近は極めて高度に利用されている。一方、海岸線の侵食や高潮災害など海からの自然災害の驚異にさらされている部分が多い。このため、海岸線には様々な人工構造物が設置されており、汀線付近あるいはその周辺に人工構造物が設置されていない自然海岸は、海岸線総延長のうち約半分の18,106km、半自然海岸は14%(4,467km)、人工海岸は29%(9,942km)となっている。
また、海岸地形は多様で、代表的地形としては、干潟・泥浜、砂浜・礫浜、岩石(磯浜)海岸、海崖(浜が未発達)等である。砂浜海岸(礫浜を含む)に着目すると、海岸線総延長の約29%(6,574km)を占めているが、近年海岸侵食が進み、砂浜海岸の約43%が侵食傾向、安定を保っている海岸が41%、堆積傾向が約6%となっている。
参考:第4回自然環境保全基礎調査[海岸調査]における海岸区分
自然海岸:海岸(汀線)が人工によって改変されないで自然の状態を保持している海岸
半自然海岸:道路、護岸、消波工などの人工構築物で海岸の一部に人工が加えられているが、潮間帯においては、自然の状態を保持している海岸。
人工海岸:港湾・埋立・浚渫・干拓等により著しく人工的につくられた海岸等、潮間帯に人工構築物がある海岸