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表4.2.3 アラメ、ワカメ、オゴノリの生育条件

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注)E;光エネルギーの単位、相対照度;海面照度に対する割合

注)psu;塩分の単位で‰とほぼ同一

 

4) ワカメ

ワカメの生活史を図4.2.4に示した。

ワカメは、1年生の藻類で、アラメと同様、胞子体(通常の葉体)と配偶体の世代交代を行う。胞子体は冬から夏にかけて生育し、6〜7月頃成熟して遊走子が放出される。遊走子は1〜2日で発芽し、雌雄の配偶体となる。夏季は休眠し、秋から初冬になると成熟して卵、精子を放出し、受精して胞子体となる。幼芽の生長は速く、3〜5ヶ月で成体となる。

ワカメは、塩分に対する耐性が強く、生育限界は23.7psuとされており、東京湾のような内湾には適した種類といえる(表4.2.3)。また、光量は80μE/m2/s以上で、流速の大きい場所が生育に適しているとされている。

 

5) オゴノリ

オゴノリの生活史を図4.2.5に示した。

オゴノリは、多年生の藻類で、一般に河口付近など淡水の流入する場所で生育する。東京湾の湾奥でもかつては広く分布しており、オゴノリを材料とした寒天工場も操業していたといわれている。成熟は3〜4月が盛期で、夏季に生育し、藻体は約60cmまで生長する。

オゴノリは、低塩分には強く、24psu程度が限界とされている(表4.2.3)。

 

 

 

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