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4.2 主な海藻・草類の生態

1) アマモ類(アマモ、コアマモ)

アマモ、コアマモは、いずれも多年生の海産顕花植物であり、干潟及びその周辺の砂泥域に生育する。また、種子による繁殖(有性生殖)と地下茎の分岐・生長(無性生殖)により繁殖する。

コアマモは浅い海域を好み、主に干潟に分布するが、アマモは干出する干潟には少なく、その沖に分布する。

アマモの生活史を図4.2.1に示した。

 

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図4.2.1 アマモの生活史の模式図

川崎ら5)より転載

 

花枝(繁殖株)は春に形成され、種子を放出する。種子からの発芽体は次第に生長して、翌年の春には花枝に変化する。また、これとは別に栄養株の分岐・生長によっても新しい株が形成される。葉体は、冬から春にかけて伸長し、1〜2m程度にまで生長する。夏季には一次衰退するが、秋季からは再び生長を始める。

コアマモもアマモと概ね同一の生活史を有するが、葉体の消長は少しずれており、春季から夏季が生長が旺盛で、夏季に最も繁茂し、秋季から衰退して冬季に最も現存量が少なくなる。また、葉体は50cm程度で、アマモに比べて小型である。

アマモ、コアマモの生育条件を表4.2.1に示した。

アマモは、干出しない浅海域に分布し、光量不足、夏季の高水温等が主な生育条件となっている。

 

 

 

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