7 締約国は、国籍のない船舶または国籍のない船舶と同視できる船舶が、海路で人を密入国させる行為に関与していると疑うに足りる合理的根拠を有する場合には、当該船舶に乗船し、当該船舶を捜索することができる。疑いを確認する証拠が発見されたときは、当該締約国は、関係する国内法及び国際法にしたがって適当な措置をとる。
第9条(保障条項)
1 締約国は、第8条の規定にしたがって船舶に対し措置をとる場合には、
(a) 乗船者の安全と人道的な取扱いを保障する。
(b) 船舶及び積荷の安全を危うくすることのないよう妥当な考慮を払う。
(c) 旗国または利害関係を有する他の締約国の商取引上または法律上の利益を害することのないよう妥当な考慮を払う。
(d) 船舶に関してとられる措置が環境を損ねないものであることを利用可能な手段の範囲で保障する。
2 第8条によりとられた措置が根拠のないものであることが証明されたときは、当該船舶がとられた措置を正当化するいかなる行為も行なっていなかった限り、当該船舶は被った損失と損害について賠償される。
3 この章の規定にしたがってとられる措置は、次のものを妨害しまたはそれを損ねないよう妥当な考慮が払われなければならない。
(a) 海洋に関する国際法にしたがった沿岸国の権利、義務、および管轄権の行使
(b) 当該船舶に関する行政上、技術上、及び社会上の事項についての管轄権と規制を実施する旗国の権限
4 この章により海上でとられる措置は、軍艦もしくは軍用航空機、または政府の公務に使用されることが明確に表示されておりかつ識別されることのできるその他の船舶または航空機でそのために用いられる正当な権限を有するものによってのみ行使される(43)。