現在当省の組織は、大臣、事務次官以下、都市計画部、測量部、住宅部、管理部の4部組織からなっており、職員数は約300人。なお勤務時間は午前8時45分から午後4時までと優雅なものです。後述の理由で残業は出来ません。
主要所掌業務内容は、
1) 中低所得者向け住宅の提供と関連社会資本整備(電気、水道、下水道、道路、排水溝施設)の実施。
2) 国有地の管理、整備と工業、観光用ホテル用地開発
3) 公共用地の取得
4) 市町村等の都市計画策定、等です。
また、これらに関わる測量業務も大きなウエイトを占めています。
予算(1999年度)は237百万ルピー(事業費164百万ルピー、人件費73百万ルピー(1ルピー約5円)。現在特別5カ年予算150百万ルピーで国土情報システム(NLIS、National Land Information System Project)を整備計画中で、国土地理情報のデジタル化を推進しています。最終的には国土数値情報データベースを構築するのが目的。しかし知識の豊富な人材に乏しいためかなり手間取り、目下一生懸命頑張っています。
2. 配属機関の業務内容紹介
測量部は住宅土地省内の一組織です。ここは住宅土地省本館および隣接するRainbow House5階(私が駐在している)の2つのビルに分散してオフィスを持っています。測量部では政府測量機関として土地の測量、地図編集、刊行を行っており、日本の国土地理院と機能が似ています。ルーチン作業として、多くの測量マンが土地の開発利用、及び調整のための連日測量に出かけています。その成果として陸部については1994年に1/10万のモーリシャス本島(ロドリゲス島含む)、また1/2.5万の14枚組の島内各地域別カラー刷り陸図を刊行済みです。今、これらの測量原図と航空写真を利用し国土数値情報システムをつくるプロジェクトを進めているわけです。また1992年には海洋法批准をにらみモーリシャス海洋境界図(EEZ図)(1/500万)を作成、刊行しました。この図の編集には旧宗主国であった英国水路部の海図データを利用しています。残念ながら当時は水路部がなかったため海図作成時の原測量データはすべて旧宗主国が持っていってしまったとのことです。