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モーリシャス住宅土地省における国際協力

在モーリシャスJICA専門家

桂忠彦

 

まえがき

私はモーリシャス政府機関の1つ、住宅土地省(Ministry of Housing and Lands)に水路部設立行政アドバイザーとして2年の任期で派遣されました。これはモーリシャス政府からの要請により、この国に海図などを作る水路業務組設立の助言をするためです。昨年10月着任以来、早いものではや1年近く過ぎました。当初、西も東も判らぬ当地に来て、何から始めたら良いのか全て五里霧中でしたが、これまで在マダガスカル日本大使館、JICA、海上保安庁水路部などの協力を得て、先ずは人材養成と平成12年度4月開講のJICA集団研修水路測量コースに研修生を送り込め、幸先の良いスタートとなりました。現在は、未だどうすればモーリシャスに役立つのか、不明な点もありますが、どのような水路業務組織が当地に最も適しているか、関系省庁の要望確認、状況調査などをしたうえ、これを踏まえて最終的設立提案書を作成、助言したいと思っています。既にたたき台は提示済みです。また、住宅土地省内幹部ら関係者に対しては水路業務紹介の講演なども行っているところです。目下、私はトップランナーとしてこの重要な仕事がうまく離陸できるよう微力ながら努力しているところです。

 

1. 配属機関の概要

派遣先は首都ポートルイスの中心部にある政府機関の一つ、住宅土地省です。

この省を簡単に紹介すると、当省はモーリシャス政府内の土地、住宅政策の現業部門として1960年設置されました。当時激しいサイクロン(台風)のため多くの家屋が被害を受け、その復興のために政府内に住宅問題対策機関が必要とされたのが当省設置の発端だそうです。その後所掌範囲が順次拡大され、現在では国有地・道路・住宅の計画、測量、建設、維持整備などを所掌しています。モーリシャス本島内での国有地の占める割合は10%、この土地を対象に主に業務を行っています。

 

 

 

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