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(2) 海洋データ管理の支援

沿岸海洋工学研究所の保有データから、データプロダクトの作成作業を通じて、データの収集、エラーチェック処理、提供、解析といった研究所におけるデータ管理、処理能力の向上を図るとともに、データプロダクトを関係者に提供することにより、海洋データの2次・3次利用の有効性を理解させる。これまでに、潮汐・潮流データの処理及び管理について指導がなされており、処理ソフトは海洋調査調整委員会でも高い評価を得ている。

(3) データベース構築に係るハードウェア・ソフトウェアに関する支援

ネットワークを通じたデータ管理・交換方法やマルチメディアなど最近のコンピュータ技術を活用したデータプロダクト紹介し、研究所におけるデータ管理処理体制の確立について支援し、JICAの支援によりネットワークによりアクセス可能なコンピュータを整備し、+研究所内のコンピュータ資源の共有化を図った。このことにより研究所内における情報及びデータの集中管理が可能となり、保有データの有効活用が期待される。また、セミナー等を通じて関係機関のデータ管理についても指導を行っている。

 

5. 協力の進捗状況

マレイシアにおける国立海洋データセンター設立計画は過去に幾度となく検討されたが、これまで設立に至っておらず、今回も国立海洋データセンターの機能を保有する国立海洋研究所の設立が計画されたが、人材不足、資金不足、特に1998年のアジア経済危機の影響により研究所の設立が見直され、研究所の設立に先立ち、マレイシア国内の資金及び資源を有効に活用し国内における海洋調査活動の効果的な実施を実現するため、海洋調査研究の調整並びに必要な技術やプロダクトの作成等に係る調整を行うための国家海洋局(National Oceanography Directorate)を科学技術環境省に設置することが進められている。国家海洋局の推進するプロジェクトとして、1)重点分野研究強化計画等による海洋科学プロジェクト、2)海洋調査研究実施体制の整備、3)人材育成、4)シンポジウム等の開催、5)海洋調査研究所設立が上げられている。

これらプロジェクトの中に国立海洋データセンターの設立も含まれていることから、国家海洋局が計画通り設置されれば国立海洋データセンターの設立が具体化してくるものと思われる。

 

 

 

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