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開催にあたっては、国際協力事業団、日本財団及び日本の科学技術庁の協力も得た。

会議の前半2日間は、セミナーとして、沿岸環境、海洋生物資源、気候変動、海洋汚染及び情報処理技術など海洋学及び関連する情報技術など様々な分野からデータニーズに焦点をおいた56件の発表(ポスター発表含む)が行われ、後半の2日間は、ワークショップとして、セミナーの結果を踏まえ、地域内の海洋データ交換を活性化させるための方策について議論を行った。会議参加者は14カ国から133名に上り、また、会議開催についてマレイシアのラジオや新聞が報道するなどマレイシア国内の関心の高さを窺い知ることができた。

今回の会議を通じて次のような決議がなされた。

1] IOC加盟国でIODEのFocal-Pointが明確に定められていない国があり、これらの国との協力を進める上で障害となっており、さらにこれらの国の研究者や政策決定者等のユーザはIODEの提供するサービスを十分に受けることができないことから、早急にFocal-Pointを定めることを求める。

2] 地域内では膨大な海洋観測データが利用されず放置されていることから、これらの発掘・救済プロジェクトを設立し、そのための実施計画を策定する。

3] 各国の海洋調査計画や海洋学関連情報の整備を推進する。

4] 情報データ処理・管理ツールの整備、

5] 地域内の協力体制を支援するためインターネットなどによる情報交換を推進する。

6] 海洋データ・情報処理のための研修を充実させる。

7] 世界各国の海軍が膨大な海洋観測データを保有しているが公開されていないケースが多く、これらが公開されるよう取り組んで行く。

各国の共通の課題として海洋データ管理に係る人材の育成や技術の向上が上げられており、先進国からのより一層の研修事業等の技術協力が求められている。また、インドネシアやタイなど現在IODEシステムのFocal-Pointを持たない国からも、国立海洋データセンターの設立やFocal-Pointの設立に前向きな発言がなされ、地域内の海洋データ管理体制の向上にも貢献できたと言える。これら会議の結果は、2000年11月にポルトガルで開催されるIODE/IOC総会に報告されるとともに、IOCのワークショップレポートとしても刊行されることとなっている。

 

 

 

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