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吟剣詩舞だより

 

鳥取―デンバー 国際吟詠交流会

吟道翔風流日本吟翔会では西暦二〇〇〇年の特別企画としてデンバー市で吟詠活動をされている国誠会さんとの吟詠交流会を実施した。本大会のそもそものいきさつは、鳥取大学とコロラド州立大学との学術交流が十年前から盛んに行われており、また、鳥取大学に吟翔会の支部が存在していることから、コロラド州との学術交流のみならず、文化交流も始めてはということが発端となった。一九九九年九月に学術交流で学生と教官がコロラド州立大学を訪問した際に、お世話になったデンバー市の旅行代理店の方に国誠会さんを紹介していただいた。国誠会の副会長をされている笹本さんは島根県のご出身で、青春時代は予科練生として鳥取県米子市の美保基地におられたとのことで、私たちの会が鳥取県ということもあり、トントン拍子で交流会の実現の運びとなった。

鳥取からは二十三名(女子十八名、男子五名)の参加があり、平成十二年九月十五日午後四時から、デンバー市内の中華レストラン“雅叙園”を貸し切りにして交流会が開催された。最初は初対面のこともあり、緊張した趣で始まったが、吟詠発表が進む内にお互いに共通の吟詠の話題で和み、約二時間半の発表会があっという間に終了した。途中からコロラド州領事の工藤夫妻もご出席いただき、心からの歓迎の挨拶をいただいた。工藤領事さんは本年ペルーからデンバーに移られたところで、ペルーにはなかった詩吟の活動にいたく感動され、早速入会を約束された。その後懇親会となり、歌あり踊りありのにぎやかな交流会となり、お開きとなったのは夜十時をすぎていた。

翌日は国誠会の会員の方のガイド(プロのガイドさん)でデンバー近郊の名所を訪問し、レッドロック野外劇場では吟詠の合吟を実施した。明朝はあわただしくデンバー国際空港に朝六時に到着したが、笹本さんはじめ国誠会の方々が出国のチェックインカウンターでの対応を親切にサポートしていただき、無事全員が帰途につくことができた。帰りの機内では国誠会の皆様に感謝しつつ、吟詠を学んでいたからこその旅行と二十世紀最大の思い出を残すことができた幸せをお互いに確認しながら、つかの間のアメリカ旅行を楽しみました。また機会を設けて、異国の舞台で吟詠の輪を広げてゆきたいと考えています。米国における吟詠活動がますます発展されることを祈念しております。米国の吟詠愛好家の皆様、機会がありましたら一緒に吟じましょう。日本に来られる機会が有れば是非鳥取にお越しください。歓迎いたします。

(吟道翔風流日本吟翔会会長、佐藤翔徳)

 

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懇親会では交流の輪が広がった

 

福島県吟剣詩舞道第三十四回大会開催

福島県吟剣詩舞道第三十四回大会は、県芸術祭主催行事として、県総連主催のもと財団の後援をいただき、平成十二年十月十五日、白河市民会館に県下の加盟団体から約一千名の参加を得て盛大に開催されました。

大会は修礼・国歌斉唱に続いて吟剣詩舞道讃歌の大合吟をもって開会。

朗吟第一部では各加盟団体から三十五番にのぼる演目が、真剣かつ華やかに発表されました。

引き続き式典が行なわれ、西山岳聚理事長の挨拶のあと、今井忠光白河市長、内藤良夫白河市文団連会長より祝辞がのべられ、財団会長笹川鎮江先生よりのお祝いメッセージが披露されました。朗吟第二部では十三名のエントリーのもと少壮吟士福島県予選が行われ、入賞者五名には財団よりの賞状が贈られ、上位二名は東日本大会への出場権を獲得、十四番からなる合吟コンクールでは、上位入賞チームには賞状とメダルが贈られました。

朗吟第三部では、各加盟団体の代表による吟舞が披露され、参加者に深い感銘を与えました。

(県総連事務局長)

 

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大会の中で行われた合吟コンクール

 

詩吟洌風流創立四十周年記念大会

菊花薫る十月二十八日(土)、東京千代田区のイイノホールに於て、表題の記念大会が(財)日本吟剣詩舞振興会のご後援を得て、その上笹川鎮江会長より身にあまるご祝辞文を頂戴して盛大に開催されました。当日は早朝より舞台スタッフによる仕込みが行われるなか、大会役員も各部署の準備をすすめ、正午開場、一時三十分に開演されました。幕開けは舞台一面に煌(きら)めく照明、音響、スモークのなか、男子宗範、師範による山部赤人作「天地の」の合吟で始まる第一部「洌風流の礎」でした。先代宗家が藤原鷺洲の名で作った詩を中心に、弊流のオリジナル構成吟「寂光の曲・守礼の門」等より抜粋した新体詩をまじえ、男子・女子会員による合・連吟が展開されました。

第二部の式典に入り、財団常任理事・東京都吟剣詩舞道総連盟理事長鈴木吟亮先生、財団事務局長矢萩保三先生、財団常任理事工藤龍堂先生をはじめ、先代宗家と親交の深かった諸先生にご登壇いただき、二代宗家白男川洌風のご挨拶のあと、ご来賓を代表して、ご病気をおしてご出席いただいた鈴木吟亮先生からご丁重なご祝辞が述べられ、矢萩保三先生、名尾良泰東京大学詩吟研究会OB代表からもご祝辞を頂きました。続いて財団元老菅原雪翁先生はじめ吟界重鎮の諸先生のご紹介、そして花束贈呈のあと、「財団青少年育成基金」にと弊流より矢萩財団事務局長に金一封の目録を謹呈いたしました。

 

 

 

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